英検®のリーディング問題における語彙レベルの分析

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英検®のリーディングでは、キーとなるのが語彙力です。

多くの受験者が語彙力のなさを痛感して試験に出る単語集の類を購入してしまいます。

皆さん、忙しい中で単語集を見たり、携帯プレイヤーで聞いたりしてみても、そうそう頭に入るものではありませんよね。

隙間時間を活用して何度も繰り返し覚えるのですが、せっかく覚えたものも時間が経つと忘れてしまいます。

では、その英検®に関する語彙力ですが実際のところどの位の語彙力が必要でしょうか?

公式情報では各級の英語技能を以下のように説明しています。フランス語検定のように3000語とかの数値は提示されていません。

1級:大学上級程度

程度
広く社会生活で求められる英語を十分理解し、また使用することができる。
審査領域
読む:社会性の高い幅広い分野の文章を理解することができる。
聞く:社会性の高い幅広い内容を理解することができる。
話す:社会性の高い幅広い話題についてやりとりすることができる。
書く:社会性の高い幅広い話題についてまとまりのある文章を書くことができる。

準1級:大学中級程度

程度
社会生活で求められる英語を十分理解し、また使用することができる。
審査領域
読む:社会性の高い分野の文章を理解することができる。
聞く:社会性の高い内容を理解することができる。
話す:社会性の高い話題についてやりとりすることができる。
書く:社会性の高い話題についてまとまりのある文章を書くことができる。

2級:高校卒業程度

程度
社会生活に必要な英語を理解し、また使用することができる。
審査領域
読む:社会性のある内容の文章を理解することができる。
聞く:社会性のある内容を理解することができる。
話す:社会性のある話題についてやりとりすることができる。
書く:社会性のある話題について書くことができる。

準2級:高校中級程度

程度
日常生活に必要な英語を理解し、また使用することができる。
審査領域
読む:日常生活の話題に関する文章を理解することができる。
聞く:日常生活の話題に関する内容を理解することができる。
話す:日常生活の話題についてやりとりすることができる。
書く:日常生活の話題について書くことができる。

3級:中学卒業程度

程度
身近な英語を理解し、また使用することができる。
審査領域
読む:身近なことに関する文章を理解することができる。
聞く:身近なことに関する内容を理解することができる。
話す:身近なことについてやりとりすることができる。
書く:身近なことについて書くことができる。

4級:中学中級程度

程度
簡単な英語を理解することができ、またそれを使って表現することができる。
審査領域
読む:簡単な文章を理解することができる。
聞く:簡単な内容を理解することができる。
話す:簡単な内容についてやりとりすることができる。
書く:簡単な文を書くことができる。

5級:中学初級程度

程度
初歩的な英語を理解することができ、またそれを使って表現することができる。
審査領域
読む:初歩的な語句や文を理解することができる。
聞く:初歩的な語句や文を理解することができる。
話す:初歩的な内容についてやりとりすることができる。
書く:初歩的な語句や文を書くことができる。

なんとなくわかるような、わからないような。

例えば準1級のレベルが大学中級程度と言われても、高校の英語の先生でも合格するのに苦労されていますし…

その英検®の語彙力に関して、2017年6月に英語教育研究センター主催の特別講演会の動画が英検公式サイトで公開されています。

英検®のリーディング問題における語彙レベル

そこに日本英語検定協会の制作部研究開発課の仲村 圭太さんが「英検®・TEAPのリーディング語彙に関する研究」という興味深い発表をされています。

つまり内部の方による英検の各級の語彙力を分析した結果です。


Youtubeでも公開されています。

2017/05/25 に公開
英検® 英語教育研究センター特別講演会「英検®・TEAPのリーディング語彙に関する研究」
カテゴリ:教育
https://www.youtube.com/watch?v=2rgKzXOnUqw

この発表では、英語の各級の英語の語彙について以下の3種類で分析されています。

RANGE with BNC
RANGE with GSL/AWL
Lexile Analyzer (MetaMetrics,2017)

動画の中では結果を数値で示されていますが、今ここで転載して良いか判断できませんので、関心のある方は動画をご覧いただきたいと思います。

概略としては、一般的な単語ファミリーの頻度は3級から5級はほぼ同じ。その上の2級と準2級は同じくらい。さらに準1級、1級と必要な語彙力が多くなります。

英文に含まれるアカデミックな語彙としては、5級から3級にかけて微増しますが、準2級で3級の約3倍、2級で準2級の約2倍、準1級で2級の約2倍と増加します。

さらに英文の複雑さの指標からは準2級以下と2級以上で大きなステップが存在していることがわかります。

非常にざっくりと言ってしまうと準2級までは単語ファミリーの基本的なものは網羅すべきで、2級以上はアカデミックな語彙で語彙力のすそ野を広げるということが合格のための語彙力養成指針になります。

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