2018年12月13日に英検®公式サイトのお知らせに以下のようなpdfが掲載されました。
これは先に2018年12月07日付けで掲載された以下の「速報!」と頭に書かれた1ページの実施概要について、4ページにわたる理由説明を付けたものです。
その概要とは以下のようなものです。
2019年度 実用英語技能検定(以下「英検®」)の新方式実施概要
英検®が新方式と呼んでいる以下の3種類の試験についての概要です。
(※)赤字は当サイトが付けました
英検® CBT:対象受験者は制限なしで実施
英検® 2020 1 day S – CBT:対象受験者は高校2年生限定
英検® 2020 2 days S – Interview:2019年度はひとまず実施せず
従来からの英検®はそのまま存在していますので、新方式は2019年に高校2年生以下でない人は影響ありません。
でもCBTは誰でも受験できますので「試しに受けてみるか」とか「試験官と面接するの苦手だからCBT」もアリです。
でも受験料はCBTの方が割高です。
この新方式の英検®ですが、「CBT」とか「2020 1 day S – CBT」とか、どういう内容なのかわかり難いです。
ここでは新方式の試験についてわかりやすく、そして詳しく説明します。
そもそも何で英検®を新方式にする必要があるの?
2020年度から実施される大学入学共通テストで、英語の民間資格・検定試験で英検®を導入するためです。
そのため文部省の要求仕様に適合させた英検®が新方式の英検®なのです。
現状の英検®は以下の点が適合していません。
受験者は4技能(リーディング・リスニング・ライティング・スピーキング)の試験を受ける
4技能の試験は同一日時に行う
他にもいろいろ事情はあるにしてもです。
そのため、ドタバタしようが、クレームされようが、とにかく2019年には試行・改善して2020年を迎える必要があります。
「やれることは全てやる!」
そんな感じです。
で、新方式の英検®の種類が3つもできたのです。
2019年度は従来のままの英検®を含めると、4つの試験方式の英検®を実施するということになります。
いくらできることは全てやるっていっても、いきなり2019年度からですから、これは無理ですよね。
CBTは毎月試験実施ですし、S-CBTは47都道府県で2019年11月から毎月実施するそうです。
そこで、せめて1つ止めて3つくらいにしないと無理!ということで冒頭のお知らせ2連発となったと推測します。
一番手間がかかる「英検 2020 2 days S – Interview」を止めたのは賢明な判断だったと思います。
後で詳しく説明しますが、「英検 2020 2 days S – Interview」は試験官が面接する試験です。
試験会場や試験官の手配など、とんでもなく時間や手間やお金がかかります。
もっとも英検®としては、そういう説明をしていません。
なので説明を読んでもわかり難いと思います。
ということで、新方式の英検®について詳しく中身を見ていきましょう。
新方式の違いは4つだけ
最初に、ここを押さえておくと話は簡単です。
試験にかかるのが1日なのか2日なのか
ライティングの解答を紙に書くのか、パソコンにキーボード入力するのか
スピーキングの試験を試験官(人間)とするのか、パソコン(機械)とするのか
リーディングとリスニングの解答を紙にマークするのか、パソコンにマウスでクリックするのか
これだけです。
それぞれの組合せで3通りの試験方式を用意したというだけなのです。
参考:英検®(現状)
分かり易くするために、現状実施されている英検®を最初に説明します。
試験にかかる日:2日 (ただし、4級と5級のスピーキングテストは参考扱い)
ライティングの解答:紙に書く (ただし、4級と5級にはない)
スピーキングの試験:試験官との面接 (しかも1次試験合格者のみ)
リーディングとリスニングの解答:紙にマークする
英検® CBT
「CBT」とは「Computer Based Testing」の頭文字を取った造語です。
アメリカ人は3文字略語大好きですから、良しとしましょう。
パソコン相手に英検®ができてしまうというものです。
試験にかかる日:1日
ライティングの解答:パソコンにキーボード入力する
スピーキングの試験:パソコン(機械)の質問にマイクで答える(録音)
リーディングとリスニングの解答:パソコンにマウスでクリックする
これで良いでしょ、とならなかったので、残りの2方式が作られました。
理由はパソコン操作(キーボード入力、マウスでクリック)に不慣れな受験生に不利益を与えるというものです。
英検® 2020 1 day S – CBT
英検®CBTとの違いはライティングの解答を紙に書くことだけです。
試験にかかる日:1日
ライティングの解答:紙に書く
スピーキングの試験:パソコン(機械)の質問にマイクで答える(録音)
リーディングとリスニングの解答:パソコンにマウスでクリックする
英検®事務局では、これが2020年度の大学入試本番での本命とみているようです。
英検®CBTは試験会場が限られたところしかありません。
それに対し英検® 2020 1 day S – CBTでは全国47都道府県に試験会場を用意するそうです。
ちなみに、受験生がライティングの解答を紙に書いても、採点は人間ではなく機械がします。
英検® 2020 2 days S – Interview
英検®CBTとの違いはライティングの解答を紙に書くことに加えてスピーキングを別の日に試験官(人間)とします。
現状の英検®のと同じ…では、ないです。
現状の英検®では1次試験に合格しないと2次試験(スピーキングテスト)が受けられません。
それに対して、英検® 2020 2 days S – Interviewでは、受験者全員がスピーキングテストを受けることができます。
試験にかかる日:2日
ライティングの解答:紙に書く
スピーキングの試験:試験官との面接
リーディングとリスニングの解答:紙にマークする
今現在の結論
どうも英検® 2020 2 days S – Interviewはこのまま消滅するような気がしませんか?
とりあえず受験生の皆様は、以下の条件で「英検® CBT」か「英検® 2020 1 day S – CBT」かどちらを選ぶかの判断しましょう。
ライティングの解答
紙に書きたい:英検® 2020 1 day S – CBT
パソコンでキーボード入力したい:英検® CBT
試験会場
大きな都市に住んでいる:どちらでもOK (英検® CBTの実施会場は現在19か所のみ)
地方都市に住んでいる:英検® 2020 1 day S – CBT
受験時期
すぐにでも受験してみたい:英検® CBT (ただし準1級は2019年11月以降)
2019年11月以降で良い:英検® 2020 1 day S – CBT
ちなみに「英検® CBT」も「英検® 2020 1 day S – CBT」も受験料は同じです。